Q1.第1種~第5種少年院の違いを簡単に教えて下さい。

【弁護士の解答】

第1種少年院
12歳以上23歳未満が入所する少年院です。
第2種少年院
犯罪傾向が進んだ、概ね16歳以上23歳未満が入所する少年院です。
第3種少年院
心身に著しい障害がある概ね12歳以上26歳未満が入所する少年院です。
第4種少年院
刑の執行を受ける者は入所する少年院です。
第5種少年院
少年法66条1項の規定による決定を受けた者が入所する少年院です。2年の保護観察処分を受けた特定少年に対し、収容決定申請がなされ、少年院送致決定を受けた者が収容される少年院です。

【参考文献】

少年法
(審判開始後保護処分に付しない場合)

  • 第23条 家庭裁判所は、審判の結果、第十八条又は第二十条にあたる場合であると認めるときは、それぞれ、所定の決定をしなければならない。
  • 2 家庭裁判所は、審判の結果、保護処分に付することができず、又は保護処分に付する必要がないと認めるときは、その旨の決定をしなければならない。
  • 3 第十九条第二項の規定は、家庭裁判所の審判の結果、本人が二十歳以上であることが判明した場合に準用する。

 

(保護処分の決定)

  • 第24条 家庭裁判所は、前条の場合を除いて、審判を開始した事件につき、決定をもつて、次に掲げる保護処分をしなければならない。ただし、決定の時に十四歳に満たない少年に係る事件については、特に必要と認める場合に限り、第三号の保護処分をすることができる。
    一 保護観察所の保護観察に付すること。
    二 児童自立支援施設又は児童養護施設に送致すること。三 少年院に送致すること。
  • 2 前項第一号及び第三号の保護処分においては、保護観察所の長をして、家庭その他の環境調整に関する措置を行わせることができる。

(保護処分についての特例)
第64条 第二十四条第一項の規定にかかわらず、家庭裁判所は、第二十三条の場合を除いて、審判を開始した事件につき、少年が特定少年である場合には、犯情の軽重を考慮して相当な限度を超えない範囲内において、決定をもつて、次の各号に掲げる保護処分のいずれかをしなければならない。ただし、罰金以下の刑に当たる罪の事件については、第一号の保護処分に限り、これをすることができる。
一 六月の保護観察所の保護観察に付すること。
二 二年の保護観察所の保護観察に付すること。
三 少年院に送致すること。
2 前項第二号の保護観察においては、第六十六条第一項に規定する場合に、同項の決定により少年院に収容することができるものとし、家庭裁判所は、同号の保護処分をするときは、その決定と同時に、一年以下の範囲内において犯情の軽重を考慮して同項の決定により少年院に収容することができる期間を定めなければならない。
3 家庭裁判所は、第一項第三号の保護処分をするときは、その決定と同時に、三年以下の範囲内において犯情の軽重を考慮して少年院に収容する期間を定めなければならない。
4 勾留され又は第十七条第一項第二号の措置がとられた特定少年については、未決勾留の日数は、その全部又は一部を、前二項の規定により定める期間に算入することができる。
5 第一項の保護処分においては、保護観察所の長をして、家庭その他の環境調整に関する措置を行わせることができる。

(保護観察中の者に対する収容決定)
第66条 更生保護法第六十八条の二の申請があつた場合において、家庭裁判所は、審判の結果、第六十四条第一項第二号の保護処分を受けた者がその遵守すべき事項を遵守しなかつたと認められる事由があり、その程度が重く、かつ、少年院において処遇を行わなければ本人の改善及び更生を図ることができないと認めるときは、これを少年院に収容する旨の決定をしなければならない。ただし、この項の決定により既に少年院に収容した期間が通算して同条第二項の規定により定められた期間に達しているときは、この限りでない。

2 次項に定めるもののほか、前項の決定に係る事件の手続は、その性質に反しない限り、この法律(この項を除く。)の規定による特定少年である少年の保護事件の手続の例による。

3 第一項の決定をする場合においては、前項の規定によりその例によることとされる第十七条第一項第二号の措置における収容及び更生保護法第六十八条の三第一項の規定による留置の日数は、その全部又は一部を、第六十四条第二項の規定により定められた期間に算入することができる。

Q2.少年院の収容期間の目安は?

【弁護士の解答】

第1 年齢制限
少年院は原則20歳まで収容できる(少年院法137条1項本文)。ただし、少年院送致決定のあった日から1年を経過していないときは、その日から起算して1年間に限り収容を継続することができる(同条但書き)。
第2 例外
在院者に心身に著しい故障があり、または犯罪的傾向が強制されない場合には、収容継続申請がなされることがある(少年院法138条1項)。  その際、家庭裁判所は23歳を超えない期間内において収容期間を定める。在院者の精神に著しい障害があり、矯正教育を継続して行うことが特に必要であるときは、23歳を超えて26歳まで収容できる(少年院法139条2項)。
第3 収容期間
家裁は、第1種少年院を指定する場合、矯正教育期間として、短期義務教育課程または短期社会教育課程の標準的な期間である6ヶ月以内と勧告することがある(矯正教育課程に関する訓令の運用について(依命通達)。家裁が収容期間について特に処遇勧告をしない場合は、「長期」処遇となり、概ね1年(11ヶ月または12ヶ月)が目安となる。 「比較的長期」の処遇勧告では、1年を超え2年以内が想定される。 「相当長期」の処遇勧告では、2年を超える収容期間が想定される。